カウンセリングは、多くの方にとって助けになります。
しかし、「話したら必ずよくなる」とは限りません。研究では、十分な変化が得られない場合や、少数ではありますが、途中でつらさが強くなる場合、また途中で通うことをやめてしまう場合があることも報告されています。
だからこそ、カウンセリングオフィス彩では、カウンセリングの安全性と効果を高めるために、定期的な状態チェック(ROM:Routine Outcome Monitoring)を取り入れています。
ROMは、そのときどきの状態やセッションの手ごたえを短い質問で確かめながら、カウンセリングの進め方を一緒に整えていく方法です。
研究では、このように定期的に状態を確認しながら進めることで、途中で中断してしまうことが減ったり、必要な見直しを早めに行いやすくなったり、カウンセラーとの信頼関係が深まりやすくなったりすることが示されています。
ROMは、どんなことをするのですか
ROMは、一言でいえば、「いまの調子」や「今回の面接がどうだったか」を短い質問で確かめる方法です。カウンセリングオフィス彩では、毎回の面接のあとに、その日のセッションについて簡単に振り返っていただきます。
たとえば、次のようなことを確認します。

今回の面接で、じっくり自分を振り返ることができたか(深さ)

話したいことを無理なく話せたか(なめらかさ)

面接のあとに、少し前向きな気持ちや見通しが持てたか(肯定感)

気づきや納得感、落ち着きが得られたか(覚醒度)
質問の数は多くありません。
続けやすい形で行いながら、各回の変化の流れを一緒に見ていきます。
数字をつけるのは、何のためですか
数字をつける目的は、「評価」や「採点」ではありません。
点数をつけることで、そのときの印象だけでは気づきにくい小さな変化や、見落としやすいサインを確かめやすくなります。
たとえば、「話せた感じはあったけれど、終わったあとにとても疲れていた」、「前回より落ち着いて話せた」、「思ったより納得感が低かった」といったことが見えてきます。
そうした情報をもとにして、今の進め方が合っているかを確認し、必要に応じてやり方を一緒に調整していきます。
ROMを入れると、本当に良いことがありますか
ROMは、「全員を一気によくする魔法」のようなものではありません。
けれども、うまくいっていないサインや、少し無理が出ているサインに早めに気づき、立て直しやすくするための大切な仕組みです。
研究をまとめた報告では、このように定期的に状態を確認し、結果を見ながら話し合う進め方を取り入れることで、よりよい変化につながりやすくなることが示されています。
つまりROMは、カウンセリングをより安全に、より丁寧に進めるための工夫の一つです。
安心して取り組んでいただくために

質問に「正解」はありません。今の状態を知るためのものです。

答えにくいときや、気が進まないときは、やり方や頻度を一緒に相談できます。

面接の中では言いにくかったことを、ROMを通して伝えていただくこともできます。

ROMの結果だけで何かを決めるのではなく、対話を通して一緒に意味を考えていきます。
ROMについてさらにお知りになりたい方は以下の論文をお読みください。